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GPSの測位

衛星からの電波が届くまでの時間 Δt に光速 c を掛けると距離が分かる。距離の円の交点から位置を求め、受信機の時計のずれが測位に与える影響を見る。

解説

GPSとは

GPS(グローバル・ポジショニング・システム)は、アメリカ合衆国が運用する衛星測位システムである。

約30個のGPS衛星が、高度約20,200 kmの軌道を約12時間で1周している。もとの設計は24機で、6つの軌道面に4機ずつ置く。

最初の試験衛星は1978年に打ち上げられ、1995年に完全運用が宣言された。

距離 = c × Δt

GPS衛星は、たがいに時刻を合わせた、きわめて安定な原子時計を積んでいる。

衛星が電波を出した時刻と、受信機に届いた時刻の差Δtに、光の速さc = 299,792.458 km/sを掛けると、衛星までの距離が分かる。

高度20,200 kmの真上の衛星からは、電波が約0.0674秒(67.4 ms)で届く。

円の交点で位置が決まる

このツールは、しくみを平面にして見せている。

衛星1つでは、受信機はその衛星を中心とする円の上のどこかとしか分からない。2つなら2つの円の交点の2点に、3つなら1点にしぼられる。

実際の空間では円のかわりに球面になり、未知数は位置の座標3つになる。

「受信機の位置を隠す」で受信機が見えなくなり、「受信機をでたらめな位置に置く」で受信機が動く。隠したまま動かすと、衛星を増やしながら、円だけを手がかりに受信機の位置をさがせる。

受信機の時計のずれと4つめの衛星

受信機の時計は原子時計ほど正確ではない。時計がδだけずれると、どの衛星までの距離も同じc × δだけずれて出る。1 ms(0.001秒)のずれで約300 kmになる。

そこで、受信機の時計のずれも未知数にして解く。空間では位置の座標3つと時計のずれの、合わせて4つの未知数を求めるので、4つ以上の衛星の電波が必要になる。

平面で考えるこのツールでは、未知数がx・y・δの3つなので、衛星3つで解ける。

相対性理論の効果

地上から見ると、GPS衛星の時計は1日に38マイクロ秒だけ速く進む。

38マイクロ秒は、距離に直すとc × 38 μs ≈ 11.4 kmにあたる。

参考(Wikipedia)