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フェルミ推定

すぐには調べられない数を、知っている量のかけ算で見積もる。各要素を 1/10 倍〜10 倍まで動かし、答えの桁がどう変わるかを見る。

解説

考え方

フェルミ推定とは、実際に調べるのが難しい量を、いくつかの手がかりから論理的に推論して短時間で概算すること。名前は、こうした概算を得意としたノーベル物理学賞受賞者エンリコ・フェルミに由来する。答えを一度に当てようとせず、かけ算できるいくつかの要素に分けて、それぞれを見積もるのがコツ。

有名な例

もっとも有名な例は「シカゴにはピアノの調律師が何人いるか」という問題で、フェルミ自身がシカゴ大学の学生に出題したとされる。人口・世帯の人数・ピアノを持つ割合・調律の回数・調律師の仕事量を仮定して計算すると、約 130 人という見積もりになる。また、フェルミは原子爆弾の実験(トリニティ実験)で紙片を落とし、その飛ばされた距離から爆発の威力を TNT 火薬 10 キロトン相当と見積もった。銀河系の文明の数を見積もるドレイクの方程式も、フェルミ推定の一種と考えられている。

補足

それぞれの要素の見積もりで、多めの誤差と少なめの誤差が打ち消し合うことが多いため、フェルミ推定は思ったより正確になりやすいとされる。現在ではコンサルティング会社や外資系企業などの面接試験で用いられることもある。

ほかの有名な問題

日本語版 Wikipedia では、フェルミ推定の例として「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか」「地球上に蟻は何匹いるか」が挙げられている。

英語版 Wikipedia では、フェルミの問題の大会の出題例として「ティースプーン 1 杯の水の質量をすべて熱に変えたら、室温の水を何 L 沸騰させられるか」「北アメリカで今月廃車になる自動車の総質量」などが挙げられている。

このツールの手がかりのうち、東京都の面積(2194 km²)、地球の陸地の面積(約 1 億 4700 万 km²)、北アメリカの人口(2021 年に約 5 億 9200 万人)、水の比熱容量(4184 J/(kg・K))は資料の値で、それ以外は見当をつけた値である。

蟻の数は、E・O・ウィルソンが 2009 年に 10¹⁵〜10¹⁶ 匹と見積もり、2022 年の研究では約 2 × 10¹⁶ 匹と見積もられている。

フェルミ自身も、1945 年のトリニティ実験で、爆風で紙切れが飛んだ距離から原子爆弾の威力を TNT 換算で約 10 キロトンと見積もった。現在の値は約 21 キロトンで、桁は合っていた。

参考(Wikipedia)