チェス盤のパラドックス
8 × 8 のチェス盤を 4 つに切って並べかえると、5 × 13 の長方形になり、64 マスが 65 マスに 1 マス増えたように見える。増えた分はどこから来たのか。
解説
チェス盤のパラドックス
1 辺 8 の正方形(チェス盤)を 4 つに切り、並べかえると、たて 5、横 13 の長方形になる。面積は正方形で 64 なのに、長方形では 65 になって見える。
これはチェス盤のパラドックス(ロイドとシュレーミルヒのパラドックス)と呼ばれる。アメリカのパズル作家サム・ロイドと、ドイツの数学者オスカー・シュレーミルヒのものとされることがある。
すき間のありか
4 つのかけらは、長方形の対角線のところでぴったりは合わず、細い平行四辺形のすき間が残る。すき間の面積が、ちょうど増えたように見える 1 マス分になる。
長方形の対角線は、本当は 1 本のまっすぐな線ではない。8 × 8 のときの 2 つの辺のかたむきは 3/8 = 0.375 と 2/5 = 0.4 で、平行四辺形の小さい角は約 1.24536° しかないので、すき間がほとんど見えない。
フィボナッチ数とカッシーニの恒等式
切る長さ 3、5、8、13 は続いたフィボナッチ数である。1 辺がフィボナッチ数 fₙ の正方形なら、同じ切り方で、たて fₙ₋₁、横 fₙ₊₁ の長方形に並べかえられる。
カッシーニの恒等式 fₙ₊₁ × fₙ₋₁ − fₙ² = (−1)ⁿ から、面積の差はいつも 1 である。8 × 8 なら 13 × 5 − 8² = 1。
n によっては差が −1 になり、すき間ではなく重なりができる(このツールの 5 × 5 や 13 × 13)。大きなフィボナッチ数ほど、すき間の割合は小さくなり、見分けにくくなる。
このツール
「並べかえ」で、4 つのかけらが正方形から長方形へ動く。並べ終わってから「答えを見る」を押すと、すき間(または重なり)を赤でぬる。
答えを見ると、対角線の折れ目のあたりを「ルーペ」で拡大して見せる。倍率を上げると、すき間(または重なり)の細い形が見えるようになる。